のとの花ヨメPROJECT presents. のと日和

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    ――能登島に移り住んだ経緯を教えてください。

    佐野さん 神奈川の大学を卒業後、就職した先の会社の向かいに
    ヤマハのガラスギャラリーがありました。
    そこで販売しているガラス工芸がすごく素敵で、よく通っていました。
    そうしているうちに「ガラスの仕事をしよう」と思ったんです。
    ただ、まだ日本ではそういう文化がなく、
    ヨーロッパやアメリカでしか学べないと知ったのですが、
    何とか日本でできないかと探し始めて半年後に、
    ガラスの愛好会があるのを知りました。
    そして、その代表の方が、その1年半後にガラスの学校を作るというのがわかり、
    外国に行かずとも日本で学べることがわかり、
    1年半待って学校に通うことになりました。
    それで3年学んだ後、どこかの工房に入りたいと探したところ
    能登島に匠の里という工芸の作家を集める施設ができるということで、そこに入ることにしました。
    それから、自分の工房を海沿いに立てて、
    いまは自分で制作をしながらガラス工芸体験教室を運営しています。

  • h2_sano02

    ――能登島でのお仕事はいかがですか?

    佐野さん 同じような工芸作家さんとのコミュニティがあるのが良いですね。
    輪島塗の作家さんとコラボをしたり、酒屋さんに専用のガラスを依頼されたり、
    旅館から依頼を受けたり、石川県やこの地域ならではの依頼も受けることも多くて、
    幅広い繋がりから生まれる仕事も多いです。

    ――神奈川から環境が全く違う能登島に来て生活はいかがでしたか?

    佐野さん ガラスが好きでガラスができればということで来たので、
    ここはガラス作りに専念するにはすごく良い環境でした。
    何もないんですよね(笑)。飲みに行くところも橋を渡って島を出ないとないですからね。
    当時は、工芸仲間で週一回島を出て買い物に行くのも楽しみでした。
    仕事をやる上では、人が少ない分ものがたくさん売れるわけではないですし、
    生活でも不便なことも多いです。でも、人がいいですし、
    地元のお祭りにも呼んで頂いたり、交流が増えてくると、居心地がよくなってきました。
    あと、食べ物がおいしいですよね!お米もおいしいし、魚もおいしい。
    なまこもこっちに来るまでは珍味でそんなにおいしいイメージはなかったけど、
    こっちに来て変わりました。やっぱり食べ物が合うと居着いちゃいますね(笑)
    不便なこともあるけど、それを上回るものが多いからずっと居るんだと思います。

  • h2_sano03

    ――生活面で他に何かありますか?

    佐野さん 医療に関しては充実していますよ。
    ご年配が多い地域なので、病院は混み合っていることが多いですけどね(笑)。
    一方能登島は子供が少なく、1クラスしかないので、みんな家族みたいで、
    それが良いこともあるでしょうけど、
    島以外の子供達と付き合う時に、ちゃんと向き合えるか心配な部分もあります。

    ――これから能登に来る人にメッセージはありますか?

    佐野さん やっぱり目的があれば良いと思います。
    都会じゃなくてもできる仕事は増えてるんですよね。
    例えばパソコン1台あればできる仕事も増えてますし、
    都会じゃなくて田舎で暮らしたいという方には良いんじゃないでしょうか。
    金沢までも昔は2時間半くらいかかりましたが、いまでは里山海道を車で走れば、1時間ちょっとで着きます。
    能登空港も近いし、東京も行きやすいし、アクセスはかなり良くなっていますよね。
    雪も多いけど、 雪遊びが好きな人にはいいですね。僕もこっちに来てボードを始めました。
    なので、不便さもそれほど感じなくはなってますね。

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