のとの花ヨメPROJECT presents. のと日和

  • 能登暮らしを志願してから3年後に引越し

    ――能登暮らしをはじめたきっかけをお教えください。

    山崎さん 僕自身は、埼玉でサラリーマンとしてずっと暮らしてきました。
    はじめて能登に来たのは、能登出身の今の妻と付き合いはじめて半年後のこと。
    彼女の富来の実家に行き、ご家族にもてなして頂いた時に、
    「海、山、人、田舎暮らし…」全てに魅力を感じました。
    そして、能登暮らしを志願し、3年間あたためてからの引越しでした。
    埼玉での生活や付き合いを断つことになるので、妻、子供達の説得が必要でした。
    そして、こちらでやりたい仕事も見つかり、いよいよ移住を決めました。

  • 不便が喜び

    ――不便さを感じるときはないですか?

    山崎さん 田舎の生活は、不便が喜びですよ。(笑)
    こっちは、やっぱり雪が大変。だから冬の過ごし方が生活の軸になるんです。
    都会の暮らしは自然を排除していますが、田舎の暮らしは自然が入り込んできます。
    自然と折り合ってどう暮らしていくかを考え、対処しています。そして、それが生活の軸になっているんですね。
    冬になると約束の時間を過ぎても「雪だから仕方ないね〜」となる(笑)。
    だから、経済は沈滞するけど、人間らしさは取り戻せますよね。

  • 田舎の人達はみんな仕事を創っている

    ――移住したくても仕事がなくて生活するのが難しいという人も多いと思いますが?

    山崎さん 仕事は創ればいいんです。それは、野菜づくりなど、お金にならなくても
    生活のための仕事はいくらでもあると思うんですよね。
    スローライフって言葉が流行って、多くの人がスローライフ、田舎暮らしと言えば、
    やることもそれほどなく、のんびり生活するというイメージを持たれている。
    だけど、こっちの暮らしは忙しい。忙しくていいんです。
    通常経済には、自給経済、物々交換経済、貨幣経済の3つがあります。
    都会は貨幣経済が99%ですが、田舎暮らしはこの3つがバランスよく保たれているので、
    たくさんお金を稼ぐ必要がなくなるんですよ。

  • 地域に関わって地域を学ぶ

    ――山崎さんのお仕事を教えて下さい。

    山崎さん 僕の仕事は、エコツアーの企画・運営です。
    地域の歴史や文化を掘り起こして、それを観光客の方に伝えたり、
    体験してもらったりしています。
    地元の人に話を聞くと、その土地ならではの文化や生活、
    物語があって、知れば知るほど面白いんですよ。
    それで、面白がって見つけたものをお客さんに伝えると、お客さんも面白がってくれます。
    田舎暮らしには、地域に関わることが大切だと思っています。地元の人達と触れ合い、
    その地域を学ぶこと、リアリティを見ることが生活していくのに必要です。
    そして、生活しているうちに地域にとって必要なものは何か、
    自分がそこで何ができるかが分かってくると思います。
    僕はガイドの仕事を通して、この地域に昔からある大切なものが失われていく前に、
    その一つでも多くを未来へアーカイブしていきたいと思っています。

  • 能登の本当に面白いところは「生活」にある。

    ――移住をお考えの方へメッセージをお願いします。

    山崎さん とにかくちょっとでも思いがあるなら
    「何でもいいから来て!」と言いたいですね(笑)
    能登の本当に面白いところは、生活にあります。
    だから、観光地じゃないところが観光地になる。
    また、移り住む人が増えれば、その人の数だけ個性があり、
    その数だけ可能性が生まれます。
    皆さんが降り立ったその先に、地域の活性化があるんじゃないでしょうか。

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